[レポート]アミティフレンズフェスティバル@西宮市民会館 アミティホール

2020年11月12日

公演にあたり・・・

 

 

新型コロナの影響で自粛期間の続いた“実演芸術”。私たち西宮市文化振興財団でも、主催事業の開催をしばらく見送ってきましたが、新しい生活様式を意識し、検温や換気などの感染予防策を講じ、西宮市や当財団にゆかりのあるアーティストの方をお招きして、出演者が実際の舞台に立つ公演を再開する足掛かりとしてアミティフレンズフェスティバルの企画、開催をしました。

 

↑客席は、座席の間隔を前後左右1席ずつ空け、2階席は販売見合わせ

 

↑ソーシャルディスタンスの確保

 

開催日までの対策としては、人と人との接触機会を減らすため、チケットはネットでの販売を先行・主体とし、遅れて窓口でも販売を行いました。また当日の密を避けるため、当日券の販売は見送り、開場時間も1時間前に前倒しして混雑を減らしたり、公演後には除菌や清掃を毎回行いました。

 

↑入口で赤外線による体温検知

 

↑チケットはお客様ご自身でもぎっていただく

 

↑公演毎に、客席・手摺り・扉の取っ手等の除菌清掃を実施

 

また、お客様にもホール入口にて手指消毒、検温、チケットもぎり、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保、規制退場などの様々な対策にご協力をいただき、2日間で4公演を無事に開催することができました。

 

落語編

 

日時:20201024日(土) 11:3012:30

出演:

露の団四郎(つゆの・だんしろう)

笑福亭松喬(しょうふくてい・しょきょう)

演目:

笑福亭松喬「まんじゅうこわい」

露の団四郎「猫の災難」 

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2日間のフェスティバルの幕開けを飾るのは、落語編。

アミティホールに久しぶりに笑い声が返ってきました!

 

トップバッターは笑福亭松喬さん。西宮生まれで、大阪産業大学工学部(4年間落語研究会に所属)をご卒業後、6代目・笑福亭松喬さんに入門されます。05年文化庁芸術祭優秀賞、上方お笑い大賞最優秀技能賞受賞、07年第1回繁昌亭大賞受賞等、第一線で活躍され、3年前に7代目・笑福亭松喬を襲名されました。また18年には西宮市民文化賞を受賞され、西宮市文化振興財団主催の市内北部地域での出前寄席「ゑびす寄席」には22年間ご出演いただいています。

 

↑笑福亭松喬さん

 

ネタは「まんじゅうこわい」をユーモアたっぷりに口演していただきました。

 

そしてトリは、露の団四郎さん。

↑露の団四郎さん

 

(つゆ)の団四郎(だんしろう)さんは、2代目・露の五郎兵衛(ごろべえ)さんに入門され、長く西宮にお住まいです。露の五郎兵衛さん譲りの怪談噺をはじめ、古典から新作まで幅広い話芸で活躍されています。西宮に縁が深く、平成28年度西宮市まちづくり賞を受賞され、松喬さんと同じく西宮市文化振興財団主催の市内北部地域での出前寄席「ゑびす寄席」には22年間ご出演いただいています。

 

ネタは「猫の災難」を熱演。

笑顔のお客様をお見送りすることが出来ました。

 

声楽編

 

 

日時:20201024日(土) 16:0017:20

出演:

小南満佑子(こみなみ・まゆこ)

赤星裕子(あかほし・ゆうこ)

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2公演目の声楽編には、西宮出身の女優、小南満佑子さんが登場。

NHK連続テレビ小説「エール」のヒロイン・音の良きライバル、夏目千鶴子役として出演され、劇中での圧巻の歌唱力で大注目されています。それだけではなく、県立西宮高校音楽科在学中にミュージカル「レ・ミゼラブル」のオーディションに最年少で合格された若き実力派です。

 

↑小南満佑子さん

 

ミュージカルあり、オペラのアリアあり、日本歌曲ありとバリエーションに富んだ曲を、透き通るような歌声でお届けしました。

幼いころに西宮に引越して来られてから、高校を卒業されるまで西宮で育ち、今も西宮大好きな宮っ子ですので、トークも西宮愛に溢れていて、会場はとても和やかな雰囲気でコンサートは進みました。

 

↑アンコールの拍手を受ける小南さん

 

アンコールの「ふるさと」を情感たっぷり歌い上げ、感動の中、幕を閉じました。

 

★当日のセットリストはこちら。

1.サウンドオブミュージック(ミュージカル「サウンドオブミュージック」より)

2.星影のエール(NHK連続テレビ小説「エール」主題歌/テレビバージョン)

3.O mio babbino caro(オペラ「ジャンニ・スキッキ」より)

4.Amazing Grace

5.荒城の月

6.踊り明かそう(ミュージカル「マイ・フェア・レディ」より)

7.je veux vivre(オペラ「ロミオとジュリエット」より)

8.You raise me up

~アンコール~ ふるさと

 

JAZZ編

 

 

日時:20201025日(日) 12:0013:20

会場:西宮市民会館 アミティホール

出演:

宮本直介スリートランペット

宮本直介(みやもと・なおすけ)ベース

横尾昌二郎(よこお・しょうじろう)トランペット

田中洋一(たなか・よういち)トランペット

小倉直也(おぐら・なおや)トランペット

田中ヒロシ(たなか・ひろし)ドラム

蓼沼ゆき(たでぬま・ゆき)ピアノ

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2日目はJAZZ編でスタート!

この日限りのスペシャルユニットが登場しました。

 

昨年惜しまれつつも解散したギネス認定最高齢バンド「ゴールデンシニアトリオ」のベーシスト宮本直介さんと、関西ジャズ界のホープ横尾昌二郎さん率いる3人のトランペット奏者とのユニット!

 

↑宮本直介さん

 

宮本直介さんには、私たち西宮市文化振興財団の主催事業「西宮JAZZ3days」で長年に渡り出演者兼総合プロデューサーを務めて頂きました。関西のみならず日本ジャズ界の中でもいわばレジェンド的な存在です。

 

↑横尾昌二郎さん

 

横尾昌二郎さんは西宮市学文中学校吹奏楽部の出身で、昨年は「なにわジャズ大賞」を受賞する等、現在関西圏で名実共に若手ナンバーワンのトランペッターです。2016年に放映された朝の連続テレビドラマ小説「べっぴんさん」で林遣都さんのバンドメンバーの役で出演された事もある方です。

 

↑横尾昌二郎さん(左)と宮本直介さん(右)

 

お二人とも西宮市在住、西宮を拠点とし、関西を代表して活躍するジャズミュージシャンです。

そんな2人を筆頭に、トランペット・ピアノ・ベース・ドラムの息の合った演奏が展開されていきました。

 

↑田中洋一さん

 

↑小倉直也さん

 

↑田中ヒロシさん

 

↑蓼沼ゆきさん

 

私たち西宮市文化振興財団の主催公演で、5月31日(日)に予定していた「西宮JAZZスクランブル」が中止になっていましたので、久しぶりのJAZZの音色に、お客様からも暖かい拍手・手拍子が送られました。

 

★当日のセットリストはこちら。

1.Dark Eyes

2.Wedding Samba

3.Dat Dere

4.Danny Boy

5.上を向いて歩こう

~アンコール~ Blues March

 

和太鼓編 【完売御礼】

 

日時:20201025日(日) 16:0017:00

出演:

和太鼓松村組(わだいこ・まつむらぐみ)

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松村組さんは、神戸を拠点に日本全国で活躍する和太鼓集団です。海外でも多くの公演をされていて、和太鼓の演奏を通じて日本の伝統、和の精神を世界に広めています。

 

↑主宰の松村公彦さん

 

力強い和太鼓の鼓動を中心にしながら、ケーナやマリンバ等を使った柔らかなメロディを演奏されるのが特徴です。

 

私たち西宮市文化振興財団の主催公演で、毎年6月にアミティホールで開催している「西宮太鼓フェスティバル」に長年出演頂いており、地域の和太鼓団体の皆様と共に迫力ある太鼓の鼓動を聴かせてくださっています。この「西宮太鼓フェスティバル」には毎年たくさんのお客様にご来場頂いておりましたが、今年は開催出来ませんでしたので、アミティホールでは今年待望の和太鼓公演となりました。

 

 

 

↑力強い演奏を響かせる松村組さん

 

「西宮太鼓フェスティバル」を楽しみにして頂いていたお客様にも、演奏を楽しんでいただけたと思います。

↑アンコールの拍手を受ける松村組さん

 

★当日のセットリストはこちら。

1 碧空へ(そらへ)                

2 勇(いさみ)               

3 花明かり(はなあかり)                   

4 鳳(おおとり)           

5 神戸発(こうべはつ)            

~アンコール~ 宵宴(しょうえん)

 

 

来場者の声

 

・広い会場でゆったりとした気分で落語二席を楽しませて頂きました。脳トレにもなり面白い60分でした!

 

・素晴らしいコンサートでした。「声楽」というジャンルでしたが色々なお歌を歌って下さって感動致しました。又、小南さんが可愛くて西宮の思い出話も聞かせて頂いて親しみも感じました。

 

・久し振りのライブに時間、日常を忘れて楽しませて頂きました。

 

・久し振りの生演奏が鑑賞できて、感激しました。演奏者と鑑賞者一体となり、感動し元気をもらいました!ありがとうございました。

 

・太鼓は詳しくないですが、とても感動しました

 

・企画・主催された文化振興財団の皆さんにも感謝です。本当にありがとうございました。

 

さいごに・・・

 

日ごろから、西宮市文化振興財団・西宮市にゆかりのあるアーティスト(=アミティフレンズ)を迎え、“実演芸術”の持つ、創り手と受け手が時間と空間を共有し、人と人とのつながりを深めるという重要な役割・ちからを信じて今回の公演を開催いたしました。

 

これまでとは様々な点で異なる公演のかたちとなり、鑑賞いただくのに不便を感じることもあったかと思いますが、その場にいたからこそ得られたエネルギーや感動を感じていただけていたら嬉しいです。

 

私たち西宮市文化振興財団は、ポリシーとして「文化芸術の持つチカラを信じて行動」すると掲げています。<ポストコロナ時代>とも言われるこの時でも、このポリシー「文化芸術の持つチカラを信じて行動」を守り、アミティフレンズフェスティバルを皮切りに、様々な感染対策をしながら、公演を徐々に再開していきます。今後の公演にも、是非ご期待ください。

 

今回のアミティフレンズフェスティバルにご来場頂いた皆様、そして開催にあたり応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 

主催:公益財団法人 西宮市文化振興財団

撮影:大西二士男